4本分の歯を実際には3本で支えており、
そのうちの前側2本がグラグラになり、
(1本は歯根が折れています)
抜歯せざるを得なくなりました。
抜歯後はとりあえず義歯を入れますが、
患者様にとっては初めての義歯になります。
一番奥の歯のみ金属を切断してそのまま残し
義歯を支えるために使います。
まずは歯型をとって模型をつくります。
ブリッジの歯並びと噛み合わせを生かし
そこに床(義歯の歯肉部分)になる部分を
作っていきます。
ワックス(蝋)を溶かして
模型に直接盛り上げていき、
固まったら削り、
また熱を加えて表面をなめらかにし、
形態を整えます。
こんな感じで完成予想形です。
そして、シリコンを使って
模型の歯型?をとります。
ガレージキットを作るようなものです。
(私も一時期ゴジラものにハマっていましたが)
シリコンをはずして出来た内部凹面を、
レジンを流し込む鋳型のようにして使うわけです。
型ができたら、模型上で抜歯します。
抜歯後の歯ぐきの状態を予測しつつ
抜歯する部分を削るわけです。
抜歯後の状態予測模型がこちら。
まずシリコン型の歯の部分に
歯冠色(白)のレジンを流し込んで固めます。
その後、床になる部分のレジンをドロリ、と
流し込み、それを削った模型に戻して圧接。
余分なレジンを排出させるための溝を
型に作ってあるのがわかるでしょうか?
レジンの硬化を待ってシリコン型をはずします。
これは形態修正した後のものですが、
はずすとほぼこんな感じ。
この模型に戻した状態を抜歯前に
患者様にご覧いただきます。

抜歯後どういう状態になるか
義歯というのはどういうものか、
言葉や絵でお伝えするより、
一目瞭然でご理解いただけると思います。
あとはその1と同じく直接お口のなかで完成です。
(抜歯後、止血を待ってから作り上げます。)
ほぼ片側の奥歯が抜歯で無くなるので噛めませんが、
これなら抜歯と同時、即日に少しは噛めるようになります!
それと、この義歯自体が、
ガーゼ等を介して噛ませることにより、
抜歯後の圧迫止血に使用できるメリットもあります。
その1の義歯でも同じなのですが、
義歯がゆるくてすぐはずれる時は
ワイヤーを曲げて装置(クラスプ/鉤、と言いますが)
を作って組み込みます。
少し時間がかかりますが、
経験上なんとかその日のうちには。
実は、その1とその2の義歯は使用材料が同じなので
同時進行で両方作りました。
立て続けに診療キャンセルが出たので
空き時間を使ってアップしました。

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