インスタント義歯 その2

さて、今回はブリッジを支えている歯を抜くことになったケースです。
4本分の歯を実際には3本で支えており、
そのうちの前側2本がグラグラになり、
(1本は歯根が折れています)
抜歯せざるを得なくなりました。

抜歯後はとりあえず義歯を入れますが、
患者様にとっては初めての義歯になります。

一番奥の歯のみ金属を切断してそのまま残し
義歯を支えるために使います。
まずは歯型をとって模型をつくります。
     CIMG1618 - コピー.JPG

ブリッジの歯並びと噛み合わせを生かし
そこに床(義歯の歯肉部分)になる部分を
作っていきます。

ワックス(蝋)を溶かして
模型に直接盛り上げていき、
固まったら削り、
また熱を加えて表面をなめらかにし、
形態を整えます。

こんな感じで完成予想形です。
     IMG_2061.JPG

そして、シリコンを使って
模型の歯型?をとります。
     IMG_2063.JPG

ガレージキットを作るようなものです。
(私も一時期ゴジラものにハマっていましたが)

シリコンをはずして出来た内部凹面を、
レジンを流し込む鋳型のようにして使うわけです。

型ができたら、模型上で抜歯します。
抜歯後の歯ぐきの状態を予測しつつ
抜歯する部分を削るわけです。

抜歯後の状態予測模型がこちら。
     IMG_2072.JPG

まずシリコン型の歯の部分に
歯冠色(白)のレジンを流し込んで固めます。

その後、床になる部分のレジンをドロリ、と
流し込み、それを削った模型に戻して圧接。
     IMG_2069.JPG

余分なレジンを排出させるための溝を
型に作ってあるのがわかるでしょうか?

レジンの硬化を待ってシリコン型をはずします。
これは形態修正した後のものですが、
はずすとほぼこんな感じ。
     IMG_2065.JPG

この模型に戻した状態を抜歯前に
患者様にご覧いただきます。
      
抜歯後どういう状態になるか
義歯というのはどういうものか、
言葉や絵でお伝えするより、
一目瞭然でご理解いただけると思います。

あとはその1と同じく直接お口のなかで完成です。
(抜歯後、止血を待ってから作り上げます。)
     IMG_2064.JPG

ほぼ片側の奥歯が抜歯で無くなるので噛めませんが、
これなら抜歯と同時、即日に少しは噛めるようになります!

それと、この義歯自体が、
ガーゼ等を介して噛ませることにより、
抜歯後の圧迫止血に使用できるメリットもあります。

その1の義歯でも同じなのですが、
義歯がゆるくてすぐはずれる時は
ワイヤーを曲げて装置(クラスプ/鉤、と言いますが)
を作って組み込みます。
少し時間がかかりますが、
経験上なんとかその日のうちには。


実は、その1とその2の義歯は使用材料が同じなので
同時進行で両方作りました。

立て続けに診療キャンセルが出たので
空き時間を使ってアップしました。


     


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